君が1人じゃ入れないといった店も もう跡形なく
思い出のなかにしか無いけれど

あれから俺はよくいったよ あの店
でもどうしてかな

安くて美味かったはずの定食も
ひどく味気なくなってたよ

思い出すのはやめるよ
夢にも出てこなくていいんだ

もう今では君の顔さえも思い出せない
けれど いまでも 美味しそうに食べる
君の唇だけが 俺の記憶にさすらう

「あたし、普通の人と違うんだって」
そういいながら微笑む君の笑顔
なんで、忘れちまったのかなあ

携帯なんてなかったから寮の電話に
よくかけていたよね
毎日飽きもせず 日常って繰りかえしを
すごしていた

いつまでも いつまでも
終わらないと信じていた
あの日までは

過ぎてこそわかる 大切なモノ
なくした時間よりも 記憶よりも
あの時の君 確かに傍らにいたはずの君

いまはきっと雨宿り 晴れたら歩き出すよ
思い出の果ては振り返らず
そう きっと
ときどき思い出して そっと見つめるだけ

がいたっていう 宝物だけは
俺の心にあるのだから


2002/09/15(Sun)