京都妖怪紀行

妖怪本である。しかも京都にテーマを絞ってその案内をするという、非常に僕好みの本だった。著者の村上健司さんは妖怪三馬鹿(失礼)としてよく知られているひとで、近年の妖怪ブームの牽引車の一人であることは間違いないだろう。
さて、本を読んだ感想としては丁寧に案内本として成立しているなあというものだ。
妖怪の紹介。それに纏わる伝説。あとは現状どうなっているかといった懇切丁寧なもの。本当にこのままガイドブックとして使っていい出来だ。京都の歴史の深さを表すようにたくさんの妖怪たちがページに満ちあふれている。とてもよい。
しかし、自分は京都で大学生活を4年間送ってきたんのだけど、ほとんど何もみていなかったことに愕然とする。京都にいたのに、それ以外の地域ばかり遠征していたのだ。
それでも京都の町の雰囲気は覚えている。歴史の重みが生み出す町筋のちょっとした隙間に潜む闇が明るい観光地に重なっている…。それを体験したことが少しばかりの収穫だろうか。

京都妖怪紀行―地図でめぐる不思議・伝説地案内 (角川oneテーマ21 B 98)
京都妖怪紀行―地図でめぐる不思議・伝説地案内 (角川oneテーマ21 B 98) 村上 健司

角川書店 2007-08
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