「昭和を駆けた考古学者 原田大六 伊都国にロマンを求めた男」展にいってきた

先日、時間をみつけて平成22年伊都国歴史博物館秋季特別展「昭和を駆けた考古学者 原田大六 伊都国にロマンを求めた男」を見てきた。
久しぶりの前原だ。今回は日向峠を通っていくルートを選択。この峠も久しぶりに通る。昔、前原のバイク屋に通っていたときは良く通ったものだが。福岡から一山を超えれば、そこは海に向かう平野が広がる伊都の国だ。
さて、新しい伊都国歴史博物館で見る特別展示は原田大六を郷土の考古学者としてとらえ、その生涯を追うものでしっかりと作られていた。個別のエピソードはさすがに生々しいところは省いているが、大六の生涯をよく描いていると思う。
展示の趣旨としては、「ケンカ大六」のイメージが強いが、それだけじゃないという点が理解して欲しいのだろうか。やはり郷土の誇りであるのは間違いない。
一番おもしろかったのは、4階でやっていたドキュメンタリー放映だった。昭和51年ぐらいにテレビ放映された「王墓を掘る男」というもので、動いてしゃべる大六がみれたのは幸運だった。興奮してまくしたてるところなど声高くうらがえっているが、ものすごい迫力である。ただ怒鳴るオヤジではない。
その中で、若き日の福岡県教委藤井功さんや岡崎敬教授も写っていたのが自分にとって嬉しかった。共に見ることがかなわなかった先生たちである。
帰りに図録と、原田大六関係の図書を買う。
監修原田イトノ・編述荒木重人『孤高の天才 原田大六 -その学問と波乱の生涯-」歴史新報社2010』は3,800円とちょっと高いが読み応えがある本だ。帰ってから一気に読んだ。
大六と九大が沖の島関連で揉めたのは知っていたが、その後に春日市で須玖岡本遺跡の発掘に参加したかった大六を九大側が無視して、大六が泣いて家に帰ったというのは初めて知った。沖の島でのことがよほど後に響いたんだろうなあ。
『日本古代遺跡便覧』問題についても詳しく書いてある。岡崎敬先生が何故そこまで沖の島関係で抗議したのかが不思議でならない。恩師の伊達先生が生きておられるときに、大六さんについてのことを聞いておけば良かったなあ。たぶん、苦笑いをされてごまかされそうだが。

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