「水城」、星の名となる

現在、特別史跡水城跡としても著名な「水城」が星の名に!
こうやって知名度のアップを図るのも大事なことかも。天文学者古川麒一郎氏ゆかりの地とか。

火星と木星の間で発見された小惑星に福岡市中央区の平安期の迎賓施設、鴻臚館(こうろかん)にちなんだ「Korokan」など、4件に九州関連の名所旧跡や人名が付けられた。国際天文学連合(IAU)が今月、登録した。発見者は昨年、86歳で亡くなった元国立天文台勤務の天文学者、古川麒一郎さん。「文化発展に貢献した人や土地の名前を」との遺言を、家族らがかなえた。12月6日から福岡市科学館のプラネタリウム「ドームシアター」で紹介される。
 古川さんは大阪市出身。京都大大学院で博士号を取得、天体の軌道計算を専門とし、日本暦学会長などを歴任した。自宅は東京だが、妻鈴子さん(82)の実家が佐賀県嬉野市にあることから九州に頻繁に足を延ばし、九州の天文ファンと交流があったという。
 小惑星は、惑星などより小さい太陽系に属する天体。一般的に発見者に命名提案権がある。それまでの名前と重複がないアルファベット16文字以下で、発音がしやすいなどの条件を満たせば認められ、今回の4件は鴻臚館のほか、福岡県太宰府、大野城両市に築かれた土塁の「Mizuki」(水城)、学問の神様、菅原道真の「Michizane」、長崎県平戸市の「Hirado」。
 福岡市科学館の丹野佳代子学芸員によると、九州・沖縄の地名や歴史上の人物名が付いた小惑星は「Nagasaki」(長崎)、「Karatsu」(唐津)など少なくとも60件以上あり、うち古川さんは「Shikanoshima」(志賀島、1993年命名)や今回の4件を含め計11件を命名している。
 「鴻臚館」は、古川さんが82年に知人と共同で発見。地球から数億キロ離れた小惑星帯「アステロイドベルト」にあり、直径約6キロ。「水城」と「道真」は77年に発見されており、40年の時を経て命名された。
 鈴子さんは「夫は九州が好きで、鴻臚館や水城などに教え子をよく連れて行っていた。思い出深い場所が命名され、喜んでいることでしょう」と目を細めた。
 丹野さんは「九州ゆかりの土地が命名され、宇宙を身近なものと感じることができる。子どもたちが歴史や文化、宇宙への興味の扉を開いてくれたらうれしい」と語った。
=2017/11/19付 西日本新聞朝刊=
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/374410/

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